100均水彩絵の具の選び方|ダイソー・セリア比較
100均水彩絵の具の選び方|ダイソー・セリア比較
100均の水彩絵の具は、ダイソーやセリアで6色・12色セットがどちらも110円(税込)という手軽さがあり、1色あたりの負担もごく小さい画材です。藤原墨雪はカルチャースクールの初心者講座で、まず110円のセットで試してから決めるよう勧めてきましたが、高い画材を先に買って続かなかった受講生も、
100均の水彩絵の具は、ダイソーやセリアで6色・12色セットがどちらも110円(税込)という手軽さがあり、1色あたりの負担もごく小さい画材です。
藤原墨雪はカルチャースクールの初心者講座で、まず110円のセットで試してから決めるよう勧めてきましたが、高い画材を先に買って続かなかった受講生も、110円から始めて水彩の楽しさをつかんだ受講生も見てきました。
画材メーカーの透明水彩は1本約220〜300円、12色セットで約2,600円からと差が大きく、その違いは発色や透明度、容量と色数、特殊色の作りに表れます。
お試しや子どもの色遊びなら100均で十分に始められ、趣味のスケッチやイラスト、本格的に作品を残したい場合は用途に合う選び方へ進むのが自然です。
目的別おすすめ早見表|あなたはどれを選ぶべきか
100均の水彩絵の具は、まず試すには十分な入口で、ダイソーもセリアも6色・12色セットが110円(税込)です。
1色あたり約2〜18円という価格なら、子どもの色遊びや初めての水彩には迷わず手が伸びるでしょう。
とはいえ、作品として残したい場合は選び方が変わります。
この記事では、発色・透明度・容量/色数・特殊色の4軸で、100均と画材メーカー品の違いを見極めていきます。
まずお試し・子どもの色遊びなら110円セットで十分です。
講座の初回に「今日は110円のセットで構いません」と伝えると、受講生は高い画材への気後れが消えて、手を動かしやすくなります。
趣味で始めた知人が最初に高価な24色セットを買って持て余した例もあり、画材は多ければよいわけではありません。
目的が固まる前は、安く始めて必要な色だけ足していく方が自然です。
まずお試し・子どもの色遊びなら110円セットで十分
110円セットは「失敗しても痛くない」こと自体が価値です。
ダイソーとセリアの水彩絵の具は、6色・12色セットがどちらも110円(税込)で、メーカー品の透明水彩が1本約220〜300円、12色セットで約2,600円〜なのに対し、価格差は約12〜100倍になります。
だからこそ、最初の一歩は高級品である必要がありません。
和つくりの現場でも、まず色に慣れてもらう段階では110円のセットを勧めています。
この使い始めには、ダイソーの「発色にこだわった水彩」の鮮やかさや、セリアの和名カラー「和の色」やラメの遊び心が向いています。
基本性能は大きく変わらないので、子どもと色の名前を覚えたり、混色の入口を知ったりするにはちょうどよいのです。
表にするなら、こんな人・おすすめ・理由・予算目安の4列で整理すると見やすくなります。
和風の色やキラキラで遊びたいなら、こうした個性のあるセットを試してみてください。
趣味イラスト・スケッチは目的次第で使い分け
趣味でイラストやスケッチをするなら、100均と入門メーカーを役割で分けるのが扱いやすいです。
セリアの固形タイプは1本約5mlで携帯しやすく、外でのメモスケッチに向きますし、チューブ式は広い面を塗りやすいので家でじっくり描く用途に合います。
色数は初心者なら12〜24色が出発点になりやすく、そこに和の色やラメを1〜2本足すと、表現の幅が急に広がります。
趣味なら、100均で基本色を確認してから入門メーカーへ進む流れがきれいです。
後段では、比較表を『比較軸・100均・画材メーカー品』の3列でそろえ、発色、透明度、容量、色数、特殊色、価格を同じ形式で見比べます。
100均は白みがかりやすく、混色やグラデーションで濁りが出やすいのに対し、メーカー透明水彩は薄く重ねても澄んだ深みが出ます。
安い=悪いではなく、目的に合うかどうかが選択基準だと考えると迷いにくいでしょう。
作品として残したい・混色を楽しみたいならメーカー品
作品として残すなら、メーカー品の透明水彩が向いています。
透明水彩は顔料を少なくしてアラビアゴムを多く配合するため、薄塗りを重ねても色が沈みにくく、耐光性や着色力も安定しています。
100均品は顔料粒子が大きく不透明寄りなので、白を混ぜて色を作る方がきれいにまとまりやすいのが実感しやすい差です。
透明な混色を楽しみたい、長く飾りたい、そうした目的ならメーカー品を選びましょう。
買い替えの目安もはっきりしています。
混色が濁る、透明な重ね塗りができない、作品を長く残したい、この3つがそろったら、国産入門メーカーの透明水彩12色、約2,600円から始めるのが定番です。
そこから必要に応じて海外プロ用メーカーや携帯用の固形パンカラーへ進めばよく、100均→国産入門→プロ用という順番が無理なく続きます。
比較表では、価格差の正体が発色・透明度・容量/色数・特殊色に集約されることも確認していきましょう。
ダイソーの水彩絵の具|ラインナップと発色の実力
ダイソーのチューブ式水彩絵の具は、6色・12色セットが中心で、どちらも110円です。
基本の水彩に加えて『発色にこだわった水彩絵の具』もあり、こちらは原色に近い鮮やかさが出しやすいのが持ち味です。
まずは手軽に試せる価格で、色の方向性まで選べるのが面白いところでしょう。
チューブ式12色セットの基本性能
12色セットは、子ども用の色遊びから塗り絵、ちょっとしたスケッチまでを広く受け止める構成です。
容量は小ぶりですが、110円で一通りの色相をそろえられるので、最初の水彩として敷居が低いのが魅力になります。
実際に子ども向け講座で使うと、汚れても惜しくない価格だからこそ、のびのび描ける空気が生まれました。
この価格帯では、色数よりも「まず塗れること」が価値になります。
高価な画材を開封すると身構えやすい場面でも、ダイソーのセットなら失敗を恐れずに筆を動かせるのです。
趣味の練習用としても扱いやすく、色の確認や筆慣らしをするには十分な実力があります。
発色にこだわった水彩・くすみカラーの違い
『発色にこだわった水彩絵の具』は、見た瞬間に色の強さがわかるシリーズです。
塗り絵で試したときも、110円とは思えない鮮やかさに驚きました。
ただし薄く重ねて透明感を出そうとすると、期待したほど澄まず、少しベタっとした見え方になりやすいのも事実です。
これは100均品全般に多い、白みがかった不透明寄りの作りが理由です。
くすみカラーや和カラー系は、その逆でパステルやスモーキー寄りの落ち着いた色味が主役になります。
最初からおしゃれな空気が出やすく、混色で追い込みすぎなくても雰囲気がまとまるのが強みです。
鮮やかさを取りたいなら発色重視、こなれた印象にしたいならくすみ系という選び分けがしやすく、用途の方向がはっきり見えてきます。
| 比較軸 | 発色にこだわった水彩絵の具 | くすみカラー・和カラー系 |
|---|---|---|
| 色の傾向 | 原色に近い鮮やかさ | パステル、スモーキー寄り |
| 仕上がり | はっきりした発色 | そのまま塗っておしゃれ |
| 向く場面 | 目立たせたい塗り、練習 | 紙面をやわらかく見せたいとき |
| 使い分けの軸 | 鮮やかさ重視 | こなれた色味重視 |
100均の水彩は、透明水彩のように薄く重ねて深みを出すより、まず色を置いて見栄えを作る考え方に合っています。
混色やグラデーションではやや濁って見えやすいので、そこを理解して使うと評価がぶれません。
品質の優劣というより、作りの違いとして受け止めるのが自然です。
向いている用途と気になる点
向いているのは、子どもの色遊び、趣味の練習、塗り絵、自由研究のような場面です。
手軽に始められて、色の出方も十分に楽しめるので、最初の水彩としての入口がとても広いのが長所になります。
特に「まずは使ってみましょう」という用途にはぴったりでしょう。
気になる点は、透明感の高い重ね塗りや、複雑な混色でのクリアな表現です。
100均品はどうしても不透明寄りなので、薄塗りの層を重ねる発想だと少し物足りなく感じます。
とはいえ、そこを割り切って使えば、練習用としてはじゅうぶん頼れる存在です。
ダイソーの水彩は、気軽さと発色のバランスを取りたい人におすすめです。
セリアの水彩絵の具|和の色・ラメ・固形の個性
セリアの水彩絵の具は、12色チューブセットが1本あたり約5ml・110円で、基本の使い勝手はダイソーとほぼ同じです。
違いが出るのは、和の色、ラメやメタリック、固形タイプといった個性の強いラインナップで、色の雰囲気そのものを選びたいときに強みが際立ちます。
安さだけでなく、作品のムードを変える画材として見たほうが、このシリーズの面白さがよく見えてきます。
和の色シリーズの色味と使いどころ
和の色は8色と12色の展開があり、レトロな色名と可愛いパッケージがまず目を引きます。
派手さで押す色ではありませんが、落ち着いた日本的な色調がそろっているので、和柄の小品や季節感のあるモチーフに載せると画面がすっと締まります。
実際に和柄の小品を描いたときも、和名の色がそのまま日本画的な空気を作ってくれて、細かな混色を考えなくて済んだのが助かりました。
110円でこの雰囲気が手に入るなら、色選びの楽しさはかなり大きいです。
ラメ・メタリックの実力と注意点
ラメ入り、いわゆるキラキラ系の絵の具は、粒子が細かくて輝きが上品です。
年賀状やカードのアクセントに使うと、少量でも印象が変わり、110円とは思えない満足感があります。
とはいえ、メーカーの透明水彩と比べると塗り心地は軽快とは言い切れず、広い面を均一に塗る用途には向きません。
実際、面積を広く取って塗ると粒子の見え方にムラが出やすく、装飾や強調したい部分に絞って使うほうがきれいに決まります。
アクセントとして割り切るのが正解でしょう。
固形タイプとチューブタイプの選び方
固形タイプは、水と筆とパレットがあればすぐ描けるので、持ち運びのしやすさが強みです。
スケッチや外出先での着彩に向き、荷物を増やさずに色を持ち歩きたい場面で頼りになります。
チューブ式は広い面や大きめの作品に向き、必要な分だけ絞り出して使えるぶん、画面づくりの自由度が高いです。
セリアのラインナップは、チューブで面を作り、固形で機動力を確保するような使い分けがしやすく、制作スタイルに合わせて選ぶ楽しさがあります。
折りたたんだ道具箱に入れて、外で一枚描いてみてください。
100均とメーカー品の違いを4軸で徹底比較
100均の透明水彩と画材メーカー品は、見た目の色だけで比べると似ていても、実際の差は配合と設計思想にあります。
発色、透明度、容量、色数、特殊色、価格を横並びにすると、安さの理由と、作品向きか遊び向きかの違いがひと目で見えてきます。
薄塗りの重なりやにじみの出方まで含めて見ると、同じ「水彩」でも得意分野はかなり違います。
| 比較軸 | 100均 | 画材メーカー品 |
|---|---|---|
| 発色 | まずまず鮮やかだが、重ねると濁りやすい | 着色力が高く、薄塗りでも色が立つ |
| 透明度 | 低めで不透明寄り | 高く、下の層が生きやすい |
| 容量 | 少量で手軽に試せる | 作品制作に足りる設計が多い |
| 色数 | 限定的だが遊びの色がある | 系統立った色展開が豊富 |
| 特殊色 | 和の色やラメなどが110円で入手しやすい | 特殊色もあるが価格は上がる |
| 価格 | 1色約2〜18円 | 1色あたりは高めだが品質が安定する |
発色と透明度の差はどこから来るか
透明水彩は顔料を少なくし、アラビアゴムを多めに配合しているので、薄い層を重ねても下の色が透けやすいです。
反対に不透明水彩は顔料比率を高め、ゴムを少なくして隠ぺい力を出します。
100均品は顔料粒子が大きく不透明寄りに作られているため、水で薄めて重ねる透明な混色が作りにくく、混ぜ方によってはすぐ濁ります。
実際に同じモチーフを塗り比べると、空のグラデーションはメーカー透明水彩だと澄んだまま深みが出たのに、100均は3層目あたりから沈んで見えました。
これは腕の差というより、粒子と配合の設計が生む結果です。
にじみの出方にも差があります。
100均は画用紙上で広がるスピードが遅く、メーカー透明水彩のような柔らかなにじみやぼかしを作りにくいです。
そのぶん、はっきりした面で塗るには扱いやすく、白を混ぜて明るさを作る方がきれいにまとまりやすい場面があります。
透明水彩のセオリーとは逆の使い方ですが、ここを押さえると失敗が減ります。
容量・色数・特殊色のコスパ比較
100均の強みは、とにかく試しやすいことです。
1色約2〜18円という圧倒的な安さで、和の色やラメのような遊びの色も110円で手に入ります。
色数はメーカー品ほど体系的ではないものの、少ない予算で配色の感覚を試すには向いています。
手帳の挿し絵、季節のカード、色の実験のように、失敗しても痛くない用途ではおすすめです。
ただし、作品として残す場面では評価が変わります。
メーカー品は耐光性、着色力、透明度、筆の伸びで明確に上回るため、同じ絵でも仕上がりの深さと保存性に差が出ます。
容量が必要な大きめの作品や、重ね塗りを前提にした表現では、少し高くてもメーカー品のほうが結果が安定します。
用途を分けて使い分けると、コスパはぐっと良くなります。
顔料と糊の配合が決める使用感
画材研究で顔料と糊の配合を追っていくと、100均が濁る理由は道具の善し悪しではなく、最初から粒子と粘りの設計が違うからだとわかります。
受講生にそのまま説明すると、上手く塗れない不安がほどけます。
白を混ぜて色を作る感覚も、透明水彩と同じ発想でなくてよいと伝えるだけで、試し方が変わるからです。
実用面では、メーカー品は水を含ませた筆の伸びがよく、1ストロークの中で色がなめらかに流れます。
100均は止まりが早いぶん、面をきっちり分ける塗り方には向きますが、空気を含んだような柔らかさは出しにくいです。
だからこそ、100均は練習用や遊びの色、メーカー品は本番用と分けて使うとよいでしょう。
失敗しない選び方|4つのチェックポイント
目的で最初に絞ると、画材選びはぐっと楽になります。
お試しや子ども用なら110円の基本セット、趣味の練習なら100均に気に入った特殊色を足す形、本格的に描くなら入門メーカーへ進む流れが失敗しにくいです。
色数も同じで、初心者は12〜24色から始めて、足りない色だけ単色で補うのが扱いやすいでしょう。
目的と色数から逆算する
受講生から「何色セットを買えばいい?」と聞かれるたびに、まず12色で十分だと答えてきました。
最初から色が多すぎると、どれを使うか迷って手が止まりやすいからです。
逆に少なすぎるセットは、混色の回数が増えて色作りに時間を取られます。
12〜24色は、その間をちょうどよくつなぐ現実的な幅で、描きながら「足りない色」を見つけて単色を足す流れが自然です。
目的が明確なら、買い足しの判断もぶれません。
チューブ式と固形式の使い分け
形状は用途で選ぶのが基本です。
広い面を一気に塗る、大きな作品をまとめて仕上げる、といった場面ではチューブ式が向いています。
量を取りやすく、濃さの調整もしやすいからです。
固形式はスケッチや外出先での携帯に強く、箱を開ければすぐ描けます。
外でのスケッチ会では、チューブ式を持ち込んだ人がパレットの準備に手間取り、固形セットの人がすぐ描き始められました。
この差は小さく見えて、実際には制作の入りやすさを大きく変えます。
特殊色は遊びの1セットとして加える
混色をよく使うなら、不透明寄りの100均だけで完結させるより透明水彩のほうが扱いやすいです。
色が重なったときの抜け感や階調が出しやすく、狙った色を作る感覚もつかみやすくなります。
100均を選ぶなら、基本色セットに和の色やラメを足す「遊びの1セット」を用意すると楽しみが広がります。
実用の土台は基本セットで押さえ、特殊色は気分を変える役として加える。
この分け方なら、日常の描画と遊びの幅を両立しやすいです。
メーカー品へ買い替えるべきサインとステップアップ
100均の透明水彩は、少量を気軽に試すには便利ですが、混ぜるほど濁りやすく、薄塗りで層を重ねても透明感が出にくい場面が出てきます。
さらに、描いた作品を長く残したいと感じ始めたら、顔料の設計や耐光性の面で、道具そのものの限界に目が向くはずです。
腕が足りないのではなく、求める表現に画材が追いついていないだけ、という切り分けができると次の一歩が見えます。
100均で物足りなくなる3つのサイン
まず分かりやすいのは、混色したときにどうしても色が濁ることです。
明るい青に黄を重ねても灰色っぽく沈み、空や水面の澄んだ印象が作りにくいなら、色数や顔料の組み合わせが表現の足を引っ張っています。
半年ほど100均で描き続けた受講生が「どうしても空の色が濁る」と相談に来たことがあり、国産入門メーカーの12色を勧めたところ、次の作品で透明感が一気に増して驚いていました。
次に、薄く重ねて透明感を出したいのに、層がきれいに抜けないことです。
水彩は本来、下の色を透かしながら深みを作る画材ですが、安価なセットでは発色の伸びや粒子の感じで、その積層が苦しくなることがあります。
さらに、描いた作品を長く残したいなら耐光性も見逃せません。
ここまで来ると、100均の設計上の限界であって、描き手の腕の問題ではありません。
最初の画材メーカー品の選び方
最初の画材メーカー品としては、伸びが良くクセが少ない国産入門メーカーの透明水彩が扱いやすいです。
12色で約2,600円という価格帯なら手を伸ばしやすく、ほとんどの画材店で入手しやすいので、最初の一本立ちとして選びやすいでしょう。
色の主張が強すぎないぶん、混色の癖を覚えやすく、初心者からプロまで幅広く使われているのも納得できます。
安全志向で選ぶなら、カドミウム系・コバルト系の毒性顔料を使わないメーカーにも目を向けたいところです。
子どもと一緒に描く場面や、口に入る可能性を意識した環境では、発色の派手さより設計の安心感が優先されることがあります。
画材は「きれいに見えるか」だけでなく、「どんな場で使うか」まで含めて選ぶと、後悔が少なくなります。
| 比較項目 | 国産入門メーカーの透明水彩 | 安全設計を意識したメーカー |
|---|---|---|
| 価格感 | 12色で約2,600円 | 非公表 |
| 使い心地 | 伸びが良くクセが少ない | 非公表 |
| 顔料設計 | 一般的な透明水彩設計 | カドミウム系・コバルト系を使わない |
| 向いている場面 | 初めてのメーカー品 | 子どもと描く場、口に入る環境 |
さらに上を目指すステップアップ経路
国産入門品で基礎をつかんだら、次は海外プロ用メーカーへ進む流れが自然です。
実際、学生時代に国産入門メーカーから海外プロ用へ移したとき、同じ青でも澄み方と重ねたときの深みが段違いだと感じました。
色そのものの力が増すと、混色の狙いも、薄塗りの階調も、はっきり手応えになります。
携帯用には、耐光性の高いプロ用の固形パンカラーという選択肢もあります。
36色セットのように持ち運びしやすい構成なら、外で素早く色を作りたい人にも向いています。
100均で試し、国産入門で土台を整え、必要に応じて海外プロ用やパンカラーへ進む。
この順番なら、無理なく画材の世界を広げていけます。
よくある質問
100均水彩は、趣味の練習や子ども向けの制作には十分使えますが、本格的な作品を長く残したいなら耐光性と顔料の安定感を見て選ぶのがよいでしょう。
講座でも「100均で十分ですか?」とよく聞かれますが、答えは毎回「目的によります」で、用途別に整理すると迷いにくくなります。
保存性を重視する作品は、描けるかどうかよりも、色がどれだけ変わらず残るかが判断の軸になります。
薄める・混ぜるのは水だけで足り、メディウムを足さなくても使えるのが入門用としての強みです。
品質・用途に関する疑問
100均水彩で本格的な作品が描けるかという質問には、練習用としては十分、展示して長期保存する作品なら慎重に、という答えがいちばん自然です。
筆づかい、にじみ、色の重なりを試す入口としては頼もしい一方、作品を何年も残す前提では耐光性の差が表に出やすくなります。
趣味のスケッチや子ども用には扱いやすく、制作の回数を増やしたい人には。
逆に、販売や額装前提なら、同じ110円でも「描ける」ことと「残る」ことは分けて考えましょう。
保存性の疑問では、100均水彩は耐光性が課題だと押さえておくと判断しやすくなります。
紙の上ではきれいに見えても、日差しに当たる場所や長期展示では退色の差が出やすく、完成後の管理まで含めて作品だと考える必要があります。
講座でこの話をすると、受講者は「描く楽しさ」と「保管の安心感」を別の軸として理解してくれます。
飾る期間が短い習作なら十分ですが、記念作品なら保存条件まで見ておくのが賢い選び方です。
選び分け・使い方に関する疑問
ダイソーとセリアのどちらが良いかは、まず何を描きたいかで見分けると迷いません。
色数や入手しやすさを優先して試したいならダイソー、少ない色で感触を確かめながら組み立てたいならセリア、という考え方がしっくりきます。
講座でも「100均で十分ですか?」に対して、毎回「この用途ならこちら」と返してきましたが、その答えをFAQに落とし込むと読者も選びやすくなるはずです。
比較表と矛盾しないよう、まずは手元で試し、必要なら上位の画材へ進みましょう。
何で薄めるか、固形と液体のどちらが初心者向きかは、扱いの単純さで考えると整理できます。
100均水彩は水だけで薄めて混ぜれば十分で、メディウムを追加しなくても基本的な水彩表現はできます。
初心者には、量をコントロールしやすく片づけも簡単な固形が扱いやすく、すぐに色を取って試せる安心感があります。
液体は色の出方が早いぶん魅力もありますが、まずは水だけで濃淡をつくる感覚をつかみ、必要に応じて使い分けてみてください。
美術大学で日本画を専攻し、水墨画の技法研究で修士号を取得。カルチャースクールや自治体講座で15年以上の指導実績。画材メーカーとの共同研究で墨・和紙の品質評価にも携わる。海外の日本文化イベントで sumi-e ワークショップを多数開催。
関連記事
水彩マスキング液の使い方|白抜きのコツと製品選び
マスキング液は、透明水彩で白く残したい部分に先に塗って乾かすと、ゴム状の膜になって下の紙の白を守る画材です。塗り残しを気にせず背景を大胆に塗れ、星や水しぶきのような細かな白も正確に残せるので、透明水彩で「塗ったら戻せない白」を後から作る数少ない手段として重宝します。
透明水彩絵の具 比較|ホルベイン/W&N/シュミンケの選び方
透明水彩の定番3社を6軸で比較。価格・色数・流動性・再溶解性・単一顔料・入手性を整理し、初心者/重ね塗り/にじみ/携帯など用途別に最適解を提示。最初の12色の組み方と単色追加の方針も解説。
水彩画の始め方|7色で描く最初の1枚
透明水彩は、水で溶いた絵具の透明感と紙の白をそのまま光として使えるところに魅力があります。けれど最初の一枚でつまずく人の多くは、技法そのものより先に、色数の多さと道具選びで手が止まってしまいます。
透明水彩の道具おすすめ|2,000円で始める
透明水彩を始めたいけれど、道具をそろえる前に予算で止まってしまう方へ。2,000円前後でも、紙にだけは最低限の予算を回し、水入れや鉛筆のように家にある物で代用できるものを買わなければ、1枚描ける最小セットはきちんと組めます。